脳の豆知識
>> 1月の脳の豆知識〜「キレやすい子供」と料理〜
子供による殺人事件などの犯罪が相次いだ昨年。「キレやすい子供」
の心の動きを科学的に探るため、文部科学省では、脳科学や教育学・
心理学などの専門家で構成される検討会を発足しました。
「キレる」子供の脳で起こっていることについてはH15年9月号でも
取り上げましたが、意志、計画性、創造性などを司る前頭連合野の
未発達が原因のひとつではないかと言われています。
脳腫瘍のため、右前頭連合野を取り除く手術を受けた女性は、
術前にはできていたのに、術後は料理ができなくなってしまいました。
料理は様々な情報処理を行なう、とても知的な作業です。スーパーで
その日の特売品を見ながら献立を変更することもあるでしょうし、
複数のメニューをコンロの数や出来上がりの時間を考慮しながら
調理しなければなりません。
先の女性は、行動のプラグラミングを担う前頭連合野を切除したた
めに、料理ができなくなってしまったのです。
言い換えれば、料理をすることで、前頭連合野を刺激することが
できるというわけです。今夜はお子さんと一緒に料理をしてみましょう。
>> 12月の脳の豆知識
朝、起きたとき頭がボーッとしていたのに、歩き出したら、冴えてき
たという経験はありませんか? 歩けば歩くほど脳が活性化され、脳に
かかわる様々な病気、例えば脳梗塞、脳溢血、痴呆症などの予防になる
といわれています。
天才といわれた人もよく歩いていたようです。アインシュタインは
研究所内の道を、哲学者カントも毎日散歩をしていました。日本でも、
京都に「哲学の道」があります。この道は代表的な哲学者の西田幾多
郎や経済学者の河上肇などが歩いて、思索にふけった道といわれています。
足は「第2の心臓」といいますが、歩くことで足ばかりでなく体全体の筋肉が刺
激を受け、心臓の動きが活発化します。すると、血管や毛細血管が増え、血行
が良くなります。これと同じことが脳でも起こります。つまり、散歩をすると、
体だけでなく、脳も活発に動くようになるのです。
「昨日は咲いていなかった花が咲いている」などイメージを思い浮かべながら
歩けば右脳が、仕事の企画など言語化して考えたり分析したりしながら歩け
ば左脳が働きます。 散歩で健康作りだけでなく、体や脳を活性化しましょう!
>> 10月の脳の豆知識
仕事で新しい企画を考えなければならないときなど、ヒラメキが生まれればなぁ…
と思うことがありますよね。
ヒラメキが起こる仕組みには、脳の前頭葉と右脳が関係しています。
ヒラメキというと、不意に湧き上がってくるような感じがしますが、全く
何もない状態から生まれるのではなく、五感からのさまざまな情報が、
直感的・空間的に物事を捉える右脳に送られ、無意識に判断されたものな
のです。意識的に思考すると左脳が働くので、ヒラメキとは言えません。
ヒラメキが生まれやすくするには、散歩や軽い運動が有効です。
体を動かすという指令は、脳→脊髄→全身の運動神経→筋肉という具合に
伝わります。筋肉を動かす骨格筋には、筋紡錘という感覚神経がからみつ
いていて、筋肉の収縮具合などの感覚情報が、指令が伝わるのとは逆の
経路で脳へと伝えられます。
それにより、脳全体が刺激されるため、ヒラメキも生まれやすくなるのです。
>> 8月の脳の豆知識 〜コミュニケーションが脳を刺激〜
学生の皆さんには待ちに待った夏休みがやってきました。最近は共働きの
ご家庭も多いので、ご両親が働いておられる間、子どもさんはテレビを見
たりゲームをしたりして過ごす…というご家庭もあるかもしれませんね。
でも、コミュニケーションの不足が、脳にマイナスだということをご存知
でしたか?
積極的に何かを行なったり、考えたりすると、脳は刺激を受けて、活発
に活動します。同様に人とのコミュニケーションも、脳を刺激するツール
の一つなのです。ワンパターンな生活では脳に刺激がいかず、そのような
生活が続くと、使わない脳の細胞は退化してしまいます。
親子でいろいろなできごとについて話し合う、ふだん出かけない
ような所へ行ってみる、テレビも考えたり想像したりすることができる
番組をみるようにする、など、ちょっとした心がけで脳に刺激を与える
ことができます。
長い夏休み。ぜひ脳にたくさん刺激を与える生活を送ってください。
>> 2月の脳の豆知識 〜脳にやさしいダイエットを!〜
新しい年を迎えて、勉強を頑張る!仕事に励む!資格試験に挑戦!…など、 目標を立てられたことと思います。中には、今年こそ痩せるぞ!と固く 決意された方もいらっしゃるのではないでしょうか?ダイエットの方 法として、まず食事制限があげられますが、脳に悪影響を与える場合 があるので要注意です。そこで今回は、脳にやさしいダイエットの方法 について述べていきます。
*糖分は脳のエネルギー源*
甘いものを一切食べない、おかずは食べるけれどご飯は食べない、と いうように、糖分を摂らないダイエットは脳に良くありません。ブド ウ糖(グルコース) は脳のエネルギー源だからです。脳のブドウ糖消 費量は成人男子で1日約500キロカロリーで、これは筋肉のブドウ 糖消費量とほぼ同じです。筋肉が体の約半分を占めていることを考え ると、脳がいかに多くのブドウ糖を必要としているかがお分かりいた だけると思います。また、脳はブドウ糖を蓄えておくことができませ ん。グリコーゲン(ブドウ糖の原料)の貯蔵量は、筋肉の1/10、肝 臓の1/100にしかなりません。ですから、糖分の供給がなければ、 脳は充分に活動することができなくなってしまうのです。勉強や仕事 の能率にも関わりますから、特に朝食では、ご飯やパンなどの炭水化 物から糖質をしっかり補給しましょう。
*肉類が幸福感をもたらす*
肉類などのタンパク質から分解される必須アミノ酸の一種トリプト
ファンから、セロトニンが作られます。セロトニンは幸福感をもた
らす神経伝達物質で、不足するとうつ状態になったりするほか、衝
動的な性格になったり食欲が増したりするなど、ダイエットの妨げ
となる症状を引き起こします。また、必須アミノ酸は体内で生成す
ることができないので、食事から摂りいれなければなりません。
また、噛むことで脳が活性化し、やる気や集中力をアップさせる
ドーパミンやノルアドレナリンなどのホルモン分泌が活発になります。
脳を元気に働かせるために、偏食をせずにバランスよく、しっかり
噛んで食べることが大切です。極端な食事制限をせず、脳にやさしいダ
イエットを行なって下さい。
>> 12月の脳の豆知識
ことわざに「蛙の子は蛙」という言葉があります。やはり、頭の良さ
は遺伝子によって決まってしまうのでしょうか?
ここに同じ遺伝子を持つネズミでの研究があります。同じ遺伝子の
ネズミを、遊具のある環境で10匹ほどのグループと、遊具のない
環境で1匹だけで育てたネズミを比べてみると、前者の方が大脳が
10%ぐらい重く、知能的にも勝っていました。もし、遺伝子で頭
の良さが決まるならば、前者と後者のネズミは同じ知能レベルにな
るわけですが、前者はグループで遊んだり、生活を共にすることで
脳を発達させていったのです。しかし後者はそういった刺激を脳に
与えられないために脳が発達できなかったと思われます。
このように、頭の良さは遺伝ですべて決まるというわけではなく、
環境が大きく関係しているということです。子供に合った環境を作り、
育てていくことが、その子の知能・能力を引き上げる最大の要因と
いえるでしょう。さらに幼少時の環境が一番大切と言われています。
例えば幼少時には多くの人と遊ぶことで、環境適応能力をつけ、親
などが愛情を持って優しく接することで信頼関係を築く、ほめるこ
とで自分で物事をするようになり、自我が芽生えるなどがあるそう
です。
兎にも角にも頭の良さは遺伝ではない部分があるわけですから、
自分が頑張れば天才・秀才も夢ではないのです。
>> 11月の脳の豆知識 〜ワーキングメモリー〜
北海道大学医学部による産学協同研究の
中間報告が出されました。
速読未経験者と速読習熟者による「リーディング課題(画面に
提示された文章を30秒間黙読する)」を実施し、各被験者の脳
活動(特に前頭部)を計測しました。
その結果、速読未経験者が左半球前頭連合野のみ活性化されてい
たのに対し、速読習熟者では左右両方の前頭連合野が活性化されて
いました。
左半球前頭連合野で言語処理・文法の正誤を判断し、右半球前頭
連合野で視空間情報処理・情動表現の発現や理解を行なっているのです。
また、今後の研究予定として、脳のワーキングメモリと呼ばれる機能が
挙げられています。
ワーキングメモリとは、情報を一時的に保持する、操作・統合して答えを
導き出す、という一連の過程を含み、言語理解や推論など高次の認知機能
のベースとなる重要な機能であると考えられています。
比較的よく研究されている視覚情報のワーキングメモリは、前頭連合野
が中心的な役割を果たしていることが知られていますので、速読で活性化
された前頭連合野によるワーキングメモリの活性化が期待されます。
ワーキングメモリをさらに説明しますと、日常生活の中で少しだけ記憶
に留めておき、計算・行動などが終わると忘れてしまう記憶のことです。
例えば、コンビニで新聞と缶ジュースを買い物したとします。新聞が130円
で缶ジュースが120円だとして、1000円札を出してお釣りをもらうことは日常
では当たり前の行為です。実はここでワーキングメモリを使っているのです。
このとき、130円と120円で250円だから、1000円出したら、 750円のお釣り
であると頭の中で計算します。暗算する時、130円と120円は足し算するまで
覚えておかなければならず、その計算の250円は1000 円出して、お釣りを
計算するまで覚えてないといけません。しかし、250円という足し算がで
きたら、130円と120円は、また、750円という引き算の結果が出て、750円
のお釣りをもらえば、750円という結果はもう必要ないので、忘れてもい
いわけです。
このような何らかの行為が終わるまで覚えている記憶がワーキングメモリです。
また、カップラーメンと作り、3分間待っている間に、テレビを見ていると
します。テレビを見ている間、ラーメンを作っていることは記憶していま
す。他にも会話などで、相手の会話の内容を全てではありませんが、ある
程度覚えておかなければ、会話はできません。こんな感じで日常生活の中
で活発にワーキングメモリを使っているのです。
同じように短期間記憶する短期記憶というものがありますが、それとの
違いは、短期記憶は一定時間保存されて、その中の一部は長期記憶になっ
ていくのですが、ワーキングメモリはその場が終われば消滅してしまうと
いうところです。
このワーキングメモリはすぐに消滅してしまいますが、言語理解や推測
などの認知機能の重要なベースであると、研究されています。
ワーキングメモリを活性化させることは、ちょっとした物忘れを解
消する大きな役割を持っているかもしれません。
>> 10月の脳の豆知識 〜あくびは脳の活性化に効果あり?〜
寝不足などで昼間眠くて、あくびをしてしまうということはありませんか?どうしてあくびが出るのかということはよく分かっていませんが、ある 研究者の説では、眠ろうとする生理作用に逆らおうとして喝を入れるた めのものであり、眠気覚ましのようなものだといいます。確かに眠気が あるときにあくびをすると一瞬スキッとしますね。あくびをすると一瞬 目が覚めるのは、ガムを噛むのと同じ効果があるためです。
何かを噛むと顔面の筋肉が動き、これが脳への刺激なって、血流がよ くなり、脳が活性化します。あくびも同様に、口を大きく開くと、逆に 閉じようとする筋肉も働き、これが脳への刺激となって、目が覚める というわけです。
それから、朝に限らず眠くなったら顔を洗うと目が覚めるものですが、 これは、冷たい水が顔に触れると顔の血管が瞬間的に収縮し、その後 血管が拡張して血流がよくなることによります。脳に必要な酸素など も血流に乗って脳に多く送り込まれ、その結果、脳が元気になるとい う仕組みです。
あくびは悪いものではありませんが、睡眠は脳を休めるために欠かせ ないものです。寝不足にはご注意を。
>> 9月の脳の豆知識
「キレる」子供の脳に起こっていること!
「キレる」子供や大人が増えている原因に、食生活の変化と前頭連合
野の育成不全が挙げられます。
ストレスがたまると、肝臓でメタロチオネインという抗ストレス物
質が作られます。この物質の原料となっているのが亜鉛です。亜鉛が
不足すれば抗ストレス物質が作られなくなり、うつ状態になったり、
反対に暴力的になったりします。 さらに、糖分を一度に多くとると
血糖値が急速に上がり、それを抑えるためにインシュリンが出ますが、
今度は反動で低血糖になります。すると、これを正常に戻そうとアド
レナリンが出ます。アドレナリンは交感神経を刺激し、脳も興奮しま
す。そのためにキレやすくなるのです。インスタント食品やファース
トフード、スナック菓子ばかり食べないで、きちんと食事をするよう
心がけましょう。
また、前頭連合野が正常でないと、感情をコントロールする働きを
失って、短絡的な暴力に走ってしまう危険性があります。子供をひた
すら過保護に育てた結果、我慢しなければならない、感情を抑えなけ
ればならない時もあるという、前頭連合野の理性的な面を形作らずに
子供が成長してしまったとみることもできるでしょう。
>> 8月の脳の豆知識 〜熱中症にご注意を!〜
暑くなってきました。この時期になると熱中症という言葉をよく
聞くようになります。熱中症は、体温の上昇により、頭痛、めまい、
意識消失、痙攣などを起こし、死亡するケースもあります。
特に脳は熱に弱い器官です。体温が42度くらいまで上昇すると
脳細胞の機能の低下が起き、さらに高くなると、脳は取り返しの
つかない状態になってしまいます。中でも神経細胞(ニューロン)が
一番弱く、髄鞘(軸索を包むもの)、グリア細胞(神経細胞が健全に
働く環境を整える細胞)と続きます。
また、暑さによる脳の機能低下は時間にも関係します。体温が
42〜42.5度だと1時間くらい耐えられますが、43度では10〜20分し
か耐えられません。
熱中症は、炎天下だけでなく、温度や湿度が高い室内でも起き
ますので注意しましょう。
>> 7月の脳の豆知識 〜言ってしまったことが未来を決める!〜
脳はひとつのことを決めつけたがり、なおかつ安定化したがります。 自分があらかじめ言ったことに対しても安定化しようとします。 いいことを言うとそのとおりになる。悪いことを言ってもそのと おりになる。いい意味でも悪い意味でも、言葉は呪いみたいなも のです。だったら、未来に対しては素敵なイメージを思い描いた ほうがいいでしょう。
>> 6月の脳の豆知識 〜「まごはやさしい」おやつ?〜
「まごはやさしい」とは、脳科学から見た脳の栄養素となる食べ物、
豆類、胡麻、わかめ、野菜、魚、椎茸、芋類の頭文字を並べたもの
です。
豆類には、レシチンという脂質の一種が多く含まれていて、体の
中で神経伝達物質のアセチルコリンに変換されます。これはアルツ
ハイマー病の薬にも使われており、記憶力アップに効果的です。大
豆やくるみ、特にピーナッツに豊富に含まれています。
今後メリッツでは、トレーニングの際にお出ししているおやつに
もこだわって、「まごはやさしい」を採り入れていきたいと思っています。
>> 5月の脳の豆知識 〜集中力を高め、やる気を出すには?〜
やる気や集中力に関係している脳内物質がドーパミンです。集中して
何かをしている時、前頭葉からドーパミンが活発に分泌されています。
この物質が少なくなれば、やる気や集中力は低下してしまい、思考力
も鈍くなってしまいます。また、やる気を出そうと思ってもなかなか気
分がのりません。
このドーパミンの材料となるのがチロシンというアミノ酸です。
これはたけのこに豊富で、卵の黄身やシラス干しなどにも多く含ま
れています。やらなければならないのに、気分がのらないときは、
これらの食べ物を補給してみるといいでしょう。
>> 4月の脳の豆知識
脳の神経細胞は大人になるにつれて減少すると思われていますが、
最近になって、大人になっても増加することがあると分かってき
ました。
例えば、記憶を貯める海馬。大脳皮質の下にある大脳辺縁系の1
部である海馬の神経細胞は、70歳を過ぎた人でも増加しているこ
とが分かりました。
ネズミの実験でも、適度な運動や記憶の訓練をすると、していな
いネズミより、海馬の神経細胞の増加率が高いと明らかにされまし
た。ということは、人間でも適度な運動やものを覚えるなどの
記憶の訓練をすることで、海馬の神経細胞の減少を抑え、ひょっと
すると、増加させることができるかもしれません。





